矢野さん

「ちょ!ちょ!待って待って!」


 閉めるドアを慌てて赤崎が制止する。


「何しに来たんだよ」


 睨み付けるように赤崎を見る。


「まぁまぁ。そう怒るなよ。今から出掛けるから付いて来てくれよ」


「はぁ?何処に」


「な・い・しょ」


 そう言うと赤崎は人差し指を立て口に当てる。


「さよなら」


 冷めた目で赤崎を見ると、再びドアを閉めようとした。


「わー!ちょっと待って!」


 赤崎が再び慌ててドアを閉めるのを阻止する。