矢野さん

『それで……お菓子を大量に作ってしまって。色んな人にあげたんですけど、まだいっぱい残ってて……』


「へぇ……」


『あの……それでもしよければ、橘さん食べていただけませんか?』


「え?」


『というか……食べてください。今から持って行きますから』


「はぁ!?」


 矢野の言葉に目を丸くする。


 ちょっ!?待て待て待てぇー!!


 俺が言葉を発するより先に矢野の声が聞こえた。


『まだ会社ですか?』


「あ、ああ。残業で……――じゃなくて!!」


『では、会社に持っていきますね。着いたらメールします』