矢野さん

「終わった。つーか話になんねー」


 俺の不機嫌な声に赤崎が携帯から俺に視線を移す。


「機嫌わる!何か言われたのか?」


「別に」


「わかった。お前ゲイだと思われて告られたんだろ」


 ニヤニヤ笑う赤崎にハッと冷笑する。


「まだそっちの方がいいわ」


「え!?」


 引き気味に驚いている赤崎を横目に、右肘をテーブルに置くと頬杖を付いた。

 矢野……。


 お前はどれだけ男運がないんだよ。元カレといい、アイツといい……本当にバカだな……。


 矢野に選らばれなかった俺はある意味いい男と言うことか?


 ま、確かに顔はいいけど。