矢野さん

「気遣ってるから矢野さんがいない時に誘ったんじゃん」


 赤崎は何故か偉そうに腰に手を当て不機嫌な顔をして俺を見ている。


「……」


 気遣ってるならなぜ矢野を連想させる人の名前を出す……。


 まぁこいつの事だから、そこはあまり深く考えてないんだろう。飲みに誘う事で赤崎なりに俺を気遣ってるって事なんだろうな……。


 そう思うと、小さくため息を吐く――。


「わかった。ありがとう。で?今日は何処に飲みに行くんだ?」

 俺がそう言うと、赤崎の顔が不機嫌なものから満足げな顔に変わる。


「駅の近くに新しく出来た居酒屋しってるか?今日はそこに行って見ようかなーって」