矢野さん

 何かを決心した様に祐子さんに向き直ると、「行きます」と答えた。


 私の真剣な顔を見て祐子さんは少し驚いた様だったが、すぐに「わかった」と言って、赤崎さんに返事を打ち出した。


 着替えが終わると、前に4人で飲んだ事がある居酒屋へ祐子さんと向かった。


「お疲れさまー」


 店に入ると、私達に気付いた赤崎さんが笑顔で手を上げ振っている。


 その横に座る橘さんと一瞬目が合った。

 ――!!


ドキッ!!っとして勢いよく顔事反らしてしまった。


 ダメだー……やっぱり本人前にすると平常心でいられない……。


 今更帰るとも言えないし……やっぱりやめとけばよかったかなぁ……。


 はぁっと小さなため息を吐くとギュッと手を握りしめた。