矢野さん

「付き合ってた頃も……お金お金ばっかりで………お金欲しさで私と付き合ったんだとわかって、すぐに別れたんです……」


 涙を流し鼻を啜りながらたどたどしく話す矢野の言葉に、真剣に耳を傾ける。


「でも………付き合ってた時に一度だけ身体の関係があって……その時に撮った写真があるって言い出して……」


 ――!!


「お金出さなきゃ……写真を病院や実家にばらまくって言われて………私……怖くて……」


 両手で顔を覆うように隠すと、また声を上げ泣き出した。


 矢野の一つ一つの言葉が胸に刺さり、痛みと共に溢れだす嫉妬と憎悪。その黒い感情が俺の心の中を汚していく――。

 矢野が辛い思いをしてきたのも、声を上げ泣く姿も、たまに見せる切ない瞳も……すべてアイツのせい――。