矢野さん

 男はお金を拾い集めると、お金をヒラヒラさせながらほくそ笑む。


「こんだけ?まぁいいや、ありがとう遥。じゃあまたよろしく」


 男はそう言うと、振り返り去っていく。


「待っ――!」


 男を追いかけようとした時、矢野が掴んでいた俺の腕を力強く引っ張った。


「何で止めるんだよ!矢野さんアイツから今までも金取られてんだろ!!」


 矢野は俯いていた顔を上げ驚いた顔をした。


「ど……どうして……」


 なんで知っているのかと言うような青ざめた顔で俺を見つめた。