矢野さん

「おい。こんなこともう止めろよ!」


 矢野を守るように前に立ちふさがる。


「お兄さん。遥は優しいんだよ。金が足りなくなったって言ったら遥から貸してくれるんだ。なぁ?遥。そうだよな」


 後ろにいる矢野を見ると、俯いて青ざめた顔をして唇を噛み締めている。


 この顔のどこに善意があってお金を貸しているっつーんだよ!!


 怒りから握りしめた手が震える。


「いい加減にしろよお前!!」


 男の胸ぐらに思いっきり掴みかかる――。


「やめてください!!」