矢野さん

 徐々に不安が募っていく――。


 いい歳こいて迷子とかじゃないよな……。


 と、その時――。


 住宅地の人気の少ない路地に見覚えのある浴衣を来た女性が見えた。


 後ろ姿だが、お団子頭に水色の髪飾りが付いている。


 それを見てホッと胸を撫で下ろす。


 居た。矢野……なにやってんだよ。


 近くの階段を降りて矢野の所まで歩いていった。