矢野さん

 その後も色んな屋台を見て回り、つまめる物を幾つか買うと座って花火が見れる場所を探した。


 土手から河川敷まで続く大きく階段上になった所が少し空いていたのでそこに4人腰を下ろした。


「花火って何時からだっけ?」


 祐子さんがそう言うと、赤崎が腕時計を見る。


「7時からだからあと15分ぐらい」


 まだ15分もあるのか……。


 ボーっと右膝に右肘を付き頬杖をして河川敷を行き交う人々を見ていると、隣に座った矢野が小声でさっきのお礼を言ってきた。


「ああ。まぁついでだったし」


 そう言うと、矢野は買ったリンゴアメを俺の前に突き出した。