矢野さん

 でもコイツの話になった時、矢野の顔は青ざめていた。


 決して好意があるようには見えなかったが……。


「それよりもお兄さーん」


 色々考え込んでいると男が一歩近づいてきた。


 ハッとしてそれ以上近づくな、と睨みをきかせる。


「俺達、手組みません?」


 そんな睨みも気にすることなく、男は嘲笑う。


「は?」


 男が言った言葉の意図が分からず、思いっきり眉間にしわを寄せ不機嫌な顔で男を見る。


「お兄さんも俺と一緒でしょ?同じ匂いがするんだよなー」