矢野さん

「春人さん家に泊めてくだしゃい」


 潤んだ瞳でまた上目遣いをしてくる。


「いいなー橘。お持ち帰りかよ」


 赤崎が冷やかす様に言うと、優香ちゃんが俺の腕に頬擦りしながらフフと笑った。


「悪いけど離してくれる?痛いんだけど」


「泊めてくれるなら離しましゅ」


「それは無理」


「じゃあ嫌でしゅ」

 ――はぁ!?


 マジ勘弁してくれよ――。


 なかなか離れない優香ちゃんに段々苛々してくる。