矢野さん

「……あの私は大丈夫ですから、橘さんも帰っていいですよ?」


矢野が肩に掛けた鞄の紐を直しながら俺に言ってきた


「矢野さんも一応女の子だしね。前みたいに変なのに絡まれても嫌でしょ?」


口に手を当てクスっと笑うとそれを見た矢野がムッとした顔をした


「一応ってなんですか?」


膨れっ面で俺を見る矢野に思わず吹き出してしまった


それを見た矢野が顔を紅潮させ益々怒り、肩に掛けていた鞄の紐を持ち俺の腰辺りを鞄でドガっと殴ってきた


「いてっ!」


殴られた腰に手を当て顔を歪ませながら矢野を見ると、ふん!っと顔をそっぽ向けた