矢野さん

「気が利くじゃん橘くん。4つあるから一人ずつたべれるね」


 え!?


「あ、いや……」

 裕子さんはそういうと、「いただきまーす」と、言って1つ取りワッフルをほうばった。

 それは矢野に買ってあげたんだけど……。


 ひきつった顔で矢野を見ると、そんな俺と目があった矢野は可笑しそうに笑った。

「じゃあ、私も頂きます」

 そう言って矢野も一口ワッフルを食べた。あの日見た、幸せそうな顔をして


嬉しそう食べている矢野に治まったはずの鼓動が再び激しく打ちだす


どんなに頭で拒否をしても体は素直に反応をするんだな……


認めたくない――


認めたくないと思うほど気づいて行く



きっとあの日――


初めて会ったあの日から


俺は矢野に――――


惹かれてるんだって