私、フラれました。

「…あ、はい。」


奏が消ゴムを手のひらにのせて渡す。


ドキッ


奏ってこんな手大きかったっけ。


なんか大人の人みたい。


「どうした?」


奏の言葉で我に返った。


そうだ。目の前にいるのは奏なんだ。


私の嫌いな奏なんだ。


「ご、ごめん。ありがと…」


ぶっきらぼうに言ったつもりだけど、ちょっとおどおどしてたかな。


そーっと奏の手のひらに手を伸ばす。


消ゴムを取ろうとしたその時だった――



「「あっ…」」


二人が聞こえるか聞こえないかの小さな声を発して手を引っ込めた。


そ、奏の手に触れちゃった…