「私、必死になんて生きてないよ。」


「そうですか?俺、さっき聞いた感じですけど結構好きですよ、先輩の生き方。」


「私のどこが?」


私の生き方のどこがいいんだろう…。


「付き合える確率がほとんどないであろう相手に告白して予想通りフラれるところとか…ですかね?」


「蒼空くん、ひどい!!」


「嫌々、誉めてるんですけど。」


「全然誉めてるように聞こえませんっ!!」


ひどいっ…


ぷうっと頬を膨らませた。


やっぱ私ってお笑い系なのかなぁ…




「はははは…凜音先輩面白いですね。……あと、可愛い。」




えっえっ??面白いのあと何て言った?

よく聞こえなかったー…


「最後なんて言ったの?聞こえなかったんだけど…。」


「あ、別に、何でもないです。」


「何でもないってなに?気になる~!!」


「だから何でもないですってばっ!!…それより、あと少しで授業終わりますよ。次、行かなくていいんですか?」


「ほんと!?行かなきゃ…」


蒼空くんの言葉気になるし、もっとここに居たいけど…しょうがない。


「じゃあね、って蒼空くんはここにいるんだよね?」


「はい。」


「じゃあ、また来るね。」


「お待ちしてます。」



蒼空くんはなんか初めて会ったときと少し違う気がした。


初めて会って一緒にいたのはたったの一時間なのに。


一時間前の蒼空くんと今の蒼空くんは違う。


そして、一時間前の私と今の私もきっと、違う。