彼は、嘘の大王。



すぐ嘘をついては、人を騙して、楽しそうに笑う。



本来ならばみんな嫌いになるはずなんだけど、何故か彼は好かれてる。



そんなあたしも、彼の嘘に悩まされて…けれども嫌いになれない人のひとりだ。



彼の名前は大月唯人(おおつきゆいと)。


ルックスはまあまあいいほうだと思う。

成績もけっこう優秀。


そんな嘘の大王は、あたしの席のお隣さん。


そのせいか、あたしは他の人より何倍も彼の嘘に悩まされていると思う。



今だってほら……、


「莉奈!!!知ってるか!!あのA組の大西さん、お前のこと好きなんだって!!」



…大西、大西ってあの…相撲部のめっちゃ巨漢の人じゃん!?



「ええええええ!!マジで!?うっそ、どうしよう!!!」



て、照れる…!!