「お願いがございます」
女の人は静かに微笑んで、言った。
「もうこの湖には来ないでください。そして、二度と王子とは会わないでください。それを私に誓って欲しいのです」
姫は「嫌だ」そういうこともできず、
「分かりました。約束します」
と言うしかなかった。
「もしあなたが次、湖に来たら。王子に会ったら、私はあなたに何をするか分かりませんよ?」
「わかっています。もう二度と来ませんし、会いません」
女の人はほっとした様子で、
「それだけを言いに来たのです。どうか約束のこと、お守りいただけますように」
と言うと、湖を去っていった。
『約束通り、姫は湖に近寄ることはなくなりました』


