次の晩も、その次の晩も王子は湖に居た。 そんなある日。 凄く大きな変化があった。 毎晩やってきていた王子がいなかったのだ。 その代わりに、あの美しい女の人がいた。 「こんばんは」 女の人はきれいに笑うと立ち上がって姫の前へやってきた。 「あなたの所に王子が毎晩来ていますよね?」 「…はい……」 女の人は少しも怒っている様子がなかった。 だけど。 女の人は姫に言った。 「王子は今夜、私に好きだと言って下さいました」