「美月、着いたよ。」


そのお兄ちゃんの言葉にため息が出る。


「もう着いちゃったのか。」

「美月、しっかりしなさいよ。」

「、、、分かってる。行ってきます。」


重たい足を動かして、クラス発表が行われている場所に向かう。
残念ながらうちの中学から受かったのは私だけで、友達なんて一人もいない。


そしてクラスを見ると、5組。



「なんか微妙な場所だなー。」


とか小さい声で呟いてみるけど誰も反応する人なんていなくて。
当たり前か。

だってみんな友達がいるんだもん。



教室で席を見つけて座ると、ちょうどチャイムが鳴った。


「はい、じゃあ新入生のみんなは座って。入学おめでとう。今から入学式があるから講堂に移動します。」


そういうのはこのクラスの担任らしき若い男の先生。
元気いっぱいって感じだな。


そして
長い校長の話も終わり、教室に戻った。


「今から簡単な自己紹介をしてもらおうかな。出席番号順に!」


そういって、1番の人から名前とか好きなものとか。

そんなものを言っていく。


「早川美月です。よろしく。」



席に座って窓の外を見る。
幸い私の席は窓側だったから助かった。


「えっとー!水城優雨!好きなものはー、、、みずき!なーんて!」


その人がそういうとクラスは笑いに包まれた。
和やかな雰囲気になる。


「まさかみずきって早川さんのことかー!?」


なんておちょくってる男子もいるけど。
んなわけないじゃん。知り合いでもないんだから。