恋なんて、誰かが勝手にして。
勝手に傷ついて…
そう“勝手に”
なんで、好きになっちゃうのかな…
こんなにも苦しいのに。
ーキーンコーンカーンコーン…
教室がざわつく。
2年A組の担任
佐藤が教室に入ってきた。
女子がキャーキャー歓声を上げる
今日も人気ですね、先生…
すっと整った顔立ち
スーツがとても似合っている。
教卓の上に手をついた。
「お前ら、小学生じゃないんだからよ。
チャイムで座れよー!」
クラスは、笑いで包まれた。
男子生徒にも女子生徒にも好かれる
いい先生だ。
後ろの席で親友の綾美が
ため息をつく
「はぁーん…今日も、かっこぃいい‼︎」
綾美…こんな、おっさんのどこがいいのかな…
だって30代…
続きは言わないようにした。笑
「綾美…?大丈夫?」
綾美は、机にあごを乗せて
浮かれている。
「あへへへ…せんせぇえー」
綾美は、先生ファンで
頭は先生のことでいっぱい…
こいつ…だめだ。
何とかしないと。笑
私は、体を前に向かせて
佐藤に注目した。
早く、授業終わらないかな…。
図書室に行きたい。
…
考える。
本が読みたい。
今日は、どの本を読もうかな…
路線外して、地理とか理科を読んでみようかな⁉︎
それともー、絵本⁇
あー、想像しただけでわくわくしちゃう‼︎
なんてことを浮かれて考えていたら
授業が終わっていた。
私も、綾美のこと言えないよね。笑
あぁあー。早く読みたいよー‼︎
