いつも、
出てくれるように、と信じて…

電話をかける


「…もしもし、」

「お、もしもし?雫っ?!」

雫がきまって電話に出るときは…


「なによ、庵……毎回うっさいのぉ」


酒に酔ってるとき

「おまえ、また酒飲んでたの?」

「は〜〜??なんか悪い?」

「悪いなんて思ってない、酒癖わりーだろ?雫は。」

本当に、悪い
彼女の酒癖は


「へー!そーれすよぉー!へっバカにすんなぁぁ〜!」

ろれつが回ってない…

「ちょっ、今どこいんの?」

「お外ぉ!楽しかったよ〜先輩とあそんらのぉー!」

「そ、そーなんだ?よかったな〜」

「良かったもクソもないわぁっ!あいつらの……」

雫の言葉とかぶるように鳴った音。
どさっという音から、彼女が転けたと断定。


「だ、大丈夫なのか?!」

「大丈夫じゃぁ!なめんじゃねぇーよ」


正直言うと、よった雫はかなりチャンスだ。ものすごく、正直になんでも話す。

普段はあーやって何かを悟ったような、
大人びたような
何かを捨て切ったような…

そんな感じなんだけど、
酒を飲むと一気に変わる。自分の殻を破っていってしまうのだ

けど、けど。

「あーもう家つくわ〜護衛ご苦労!」

「転けたとこ、大丈夫なのか?」

「わー、へーきへーき!らいじょーぶらいじょーぶぅ!ばいばいー」

ブチッ…ツーッツーッツーッ

聞けない。
聞けないんだ。


俺がヘタレだからっていうのもあるかもしれない、

ただ、ずるいなって思えてきてしまう。
それじゃぁ、他の男と変わらないと思うのだ。


私的な理由の方が大きいのかもしれないけど…