毎日毎日、
よくも飽きずがやがやと五月蠅い教室


さっきの雰囲気的に残念な・・・・
朝比奈とは前後の席

あたしは前、彼女は後ろ


「ねぇ・・・」

かわいらしく発した声
軽く潤んでる目
半開きの口・・・・

「あんたそんな顔、男に使えっての。あたしに使ったって何にもないよ」

そう意地悪く吐いたけど、
彼女にはそんなこと気にはならないらしくて


「あたしと・・・あたしと寝て?」


いきなりの発言
今までに聞いたことないくらいに
やけに決意に固まった声で、潤む目をこっちに向けた

「はぁ?朝比奈。あんた何言ってるかわかってるの?」


受け止められない、彼女にしては変な感じで・・・


「まさか、庵に言われたとかじゃ・・・ないよね?」

「そ、そんなことないって!あたしの判断だ・・・」


「じゃあさぁ・・・」


荒々しく彼女の顎を引き寄せて、顔を近づける
唇を重ねようと顔の角度を変えた時だった


気づけば目をつむってる彼女を見て
どうすればいいのかわからなくなった。

うるさかった教室の音が一瞬消えた気がする

そんな時間をかき消すように響いた、女の声。


「し~ずく~!今日暇?!」


大きく響いたけばけばした声・・・・
三年生の先輩であり、あたしの中で数えきれないほどいるうちの〝体の関係”



考えることもなくすぐに答えた

「はい~~今日も暇です」


その返答に、驚いたのか朝比奈は眼を開けた
驚いて目をぱちくりさせる彼女を横に
聞こえるか聞こえないくらいの声でつぶやいた


「あんたまで・・・汚れて欲しくないの・・・・」



嘘偽りのない
本当の想い


体だけの女なんてどうなったっていい


ただ。ただ、朝比奈・・・・
あんただけには全部の意味で清くあってほしい


あたしにはもう手遅れなことであって・・・

余裕で間に合う朝比奈には。


あたしみたいな汚れてるやつなんかと・・・・
関わってなんか欲しくない


そんな思いを込めて。
聞こえていてほしいって願いながら・・・・



チャイムとともに席に着いた