些細なトラウマである。

数年前の中学の頃
本当に唯の……イジメ。

でも、あたしにとっては大きなもので。
小さな悪口も、私のココロはズタズタにされてしまったのだ。

しかも、男に。

ココからあたしの中から何かが消えて
その崩れた何かは再構築されて
狂いに狂った、クソとしか呼べない…
今の倉宮雫を作り出している。
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「ねぇ、」

「…」

「ねえってば!!」


「うん?」

意識が飛んでいたのか、

いきなりに感じた友人、朝 比奈(あさ ひな)の声に、体をビクつかせた


「あんた、また朝帰り??」

なんていう珍しい問いかけ

「はい?いつものことじゃない」

あり得ないようで、
あたしにとっては真剣な答え。

「せめて男と寝てよ。」

なんて、
友人にあるまじき言葉ではあるけど、
あたしにはもっともな言葉

「はい?女と寝るのもかなり気持ち悪いのに……男なんてどうなることやら」

半分呆れめにいった

「一人が無理なんでしょ?だからってヤることないじゃない」

「そんなこと、相手の女にいってよ。」
流石にここまで心配されると、イライラする。こんなときは決まって…

「庵から電話きたんでしょ」

そう、
幼馴染の憎き男というものに属するあいつ。今はどっかで何かしてる…筈だ。

あたしの男嫌いまでは、しっかり知ってる。それを心配して、良く電話までかけてくる
……鬱陶しいったらありゃしない


「そ、…それは……」

彼女の反応を見れば何と無くわかる

唯一の友人ではある。
だけどそこまでされたら…


「流石に鬱陶しいよ。やめてよ、今更心配だなんて…私が狂ってくの。黙って見てたくせに。」

そう言い捨てると、
彼女は何にも言えなくなって…

それを機に、
朝比奈の横を素通りして教室に向かった


八つ当たりだなんて事はわかってる
でも、こうしないと抑えられない気がして…

そんなところを含め、自分が嫌になってくる。