桃色初恋、甘口キス

「じゃ、ありがと。また明日」

黄原は、途中までで良いって言うあたしの言葉を無視して、結局しっかりと家の前まで送ってくれた。

「おう。明日も送ってやるからな」

「え、いいって。心配するなって。
あたし、そこまで弱くないよ?」

力こぶを作って見せる。
ほら、女にしては、たくましいでしょ?
あたしには、愛ちゃんみたいなか細さなんて、ない。
一人だって大丈夫。

「お前は、本当に分かってない」

「何が?」

今日は散々おかしい黄原の言うことは、聞き流すに限る。
じゃあね、と手を振って、家に入る。

困ったように笑いながら、黄原は玄関の向こうで手を振り返してくれた。