桃色初恋、甘口キス

部活が終わって帰ろうと部室を出たところで、目の前に黄原が現れた。

「送ってやるよ」

「え。いいよ」

今までそんなこと言ったことなのに、何なんだ?

「何度も言うけど、あんた今日、おかしい」

「そんなことないって。
最近暗くなるの早くなってきたし。
女の子なんだから、素直に送られろ」

一方的だ、しかも偉そう。
それに、どうして急に女子扱い?

そう思いながらも、やっぱりいいやつだな、と関心する。

「いいやつだよな、黄原って。
階段でも助けてくれたし」

「あ、あれは、とっさで……。
ダメだぞ? 俺がいないときにぼーっとしたら」

なにそれ。俺がいないときはダメ?
やっぱり変な奴。