「………」 「橋くん今何か言った?」 「…花火だろ」 彼の声のような気がしたけど、やっぱりよくは聞こえなかった。 表情は暗くて見えない。 バスタオルから彼の手が離れたと思うと、視界いっぱいに橋くんがいる。 「「……」」 唇の柔らかな感触が消えないうちに、今度は私から追いかける。