ケータイ小説作家に恋をしました。2


レストランに入ると、黒いタキシード姿のウェイターが、いかにも高級店らしくスッと現れた。

「いらっしゃいませ。
2名様ですか?」


明人達2人は、入口から見て右側の窓際に案内された。



全面ガラス張りの席からは、自分達の街が端の方まで見え、その向こうには海がキラキラと光っていた――


阿川さんは、その景色に目を奪われ、暫く言葉を失っていたが、明人はもっと感動していた。


「あ、あれ…
阿川さんほら、あっちに海が見えるよ。
綺麗だね~

あっちには、高速道路が見えてる!!

あーっ
あれあれ、あの建物って会社じゃない?


初めて来たけど、ここは高いよね~
人間なんて、本当に豆粒みたい」


おい明人、"初めて"って言っているぞ。

おーい、
明人さ―――ん……


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