レストランに入ると、黒いタキシード姿のウェイターが、いかにも高級店らしくスッと現れた。
「いらっしゃいませ。
2名様ですか?」
明人達2人は、入口から見て右側の窓際に案内された。
全面ガラス張りの席からは、自分達の街が端の方まで見え、その向こうには海がキラキラと光っていた――
阿川さんは、その景色に目を奪われ、暫く言葉を失っていたが、明人はもっと感動していた。
「あ、あれ…
阿川さんほら、あっちに海が見えるよ。
綺麗だね~
あっちには、高速道路が見えてる!!
あーっ
あれあれ、あの建物って会社じゃない?
初めて来たけど、ここは高いよね~
人間なんて、本当に豆粒みたい」
おい明人、"初めて"って言っているぞ。
おーい、
明人さ―――ん……
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