ケータイ小説作家に恋をしました。2


その時――


「あれ?」

明人が項垂れてホームの薄汚れた床に視線を落とすと、視界にベンチの下に落ちている本が映った…


明人が手を伸ばして本を取り、表紙を確認しようとした所で、電車がホームに入って来た。



「あ、本を持って来てしまった…」

慌てて電車に乗り込んだ明人は、思わず拾った本をそのまま持ち込んでしまっていた。


「ルール…
い、いや、落ちていたんだし…
べ、別に持ち込んでも問題ないよね」

思わず鼻歌が出そうになる所を、必死で自分自身でフォローして踏みとどまった。



元々明人は本を読むようなタイプではなく、当然の様に余り拾った本にも興味は無かったが…

シートに座ると表紙を見た。


「ヒデェ妄想彼氏?
作者はポポロ?

ケータイ小説…
って何?」


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