ケータイ小説作家に恋をしました。2


明人の絶望感をよそに阿川さんは切符を買うとホームへと入り、急行電車に乗り込んだ。

明人も仕方なく、その後をついて行った。


電車の中では向かい合わせに座り、阿川さんが色々と話し掛けてきた。

しかし、明人は曖昧な返事しか出来なかった。

それはそうだ。
到着した瞬間、様々な器具で痛め付けられる予定なのだから…



電車に乗って40分――


明人の右前方に、インターネットで見た観覧車が見え始めた。


明人の心臓は、これまで経験した事もない様なスピードで打ち続ける…

観覧車の頂上が、明人には自分の墓場にしか見えなかった。


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