「阿川さん…
僕の事を心配してくれる気持ちは、よく分かる。
でもね…
大丈夫。
ポポロは間違いなく、僕が全てを費やしても良いほどの女性だよ。
読んだ事があるでしょ?
ヒデェ妄想彼氏も、陰性なアイツも、読んでいる人を幸福な気分にさせてくれる。
泣いていても、怒っていても、ポポロの紡ぎ出す文章は必ず読んでいる人に笑顔を作り出す…
まるで、魔法使いか妖精の様に。
それに、何よりも小説には限りない愛情が注がれていて、それが主人公の恋人に対しても読者に対しても響いてくる。
そんな人が、素敵な女性じゃないって事は、絶対にないよ。
心配してくれてありがとう。
でも僕は間違っていない自信があるし、僕は大丈夫だよ」
明人の言葉を聞き、阿川さんの目から大粒の涙がポロポロと溢れては落ちた。
「なんで阿川さんが泣くんの?」
明人には、阿川さんの涙の訳は分からなかった。
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