ケータイ小説作家に恋をしました。2


「佐藤さん…」

「なに?」


明人は突然声を掛けられ少し驚いたが、笑顔で振り返った。


「佐藤さんが、香田し…フットボールアワーの後藤さんと同じ様な髪型にしたり、一生懸命仕事するのってポポロのためなんですか?」

「ははは、阿川さんは知ってるもんね」


「佐藤さんは、ポポロに会った事があるんですか?」

「ないよ」


「ポポロが、どんな人か知ってるんですか?」

「知らない」


「もし…
ポポロが、佐藤さんがそれほどまでに思い入れするだけの女性ではなかったら、どうするんですか?」


明人は阿川さんの問いに、椅子をくるりと回して身体ごと振り返ると、うつむく阿川さんに優しく微笑んだ。


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