ケータイ小説作家に恋をしました。2


翌週、出社した阿川さんは明人の様変わりした外見に驚いた。


「ど、どうして角刈りにしたんですか?」

明人は満面の笑みを浮かべながら答えた。

「フットボールアワーの後藤さんに、ソックリになったでしょ?」


「は?」

どちらかと言えば、香田 晋だと思ったが、阿川さんは敢えてツッこまなかった…




翌週になっても、明人の勢いは止まらなかった。
トナーだけだったが、毎日数社から注文を持ち帰っていた。

売上自体は大した金額ではなかったが、マメに歩いている証拠だったし、それはいつか大きい契約に繋がるものだ。



その豹変ぶりに、阿川さんもかなり驚いていた。

木曜日に明人が帰社した時、阿川さんは自分がプレゼントしたポポロの本が明人の机の上にあるのを見付けた。


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