ケータイ小説作家に恋をしました。2


店主がちゃんとハサミに持ち換えたのを確認すると、明人はようやく安心して前を向いた。


「ところで兄さん…
どんな髪型にすれば良いのかね?」


「そうですねぇ…」

明人は、ポポロの"好きな芸能人"の蘭を思い出して言った。

「フットボールアワーの後藤さんの様な髪型にしてもらえますか?」

「あいよ!!」

店主は威勢良く返事をすると、勢い良くハサミを動かし始めた。


フットボールアワーの後藤さん…
正直、携帯電話で調べただけなのでほとんど知らないが、確か髪がツンツン立っていた様な気がする。

でも…
この見るからに時代劇しか見てなさそうな店主が、僕が知らなかった様な芸人を、よく知っていたな。



店主はバシバシと、オカッパ頭の明人の髪を切っていった。

明人の変身の時は近い!!


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