明人が恐る恐る木箱を開けると、その中には――



「ジ、ジイサンのプリクラ!!」

「どうじゃ、イケメンじゃろ?」


これにはさすがに、温厚な明人もキレた。

「な、なにが…
ラーメン、ツケメン、ジイサンイケメンだ!!
僕は真剣に悩んで来たんだぞ。それを!!」


「い、いやまて!!
笑えないギャグは置いといて…

このプリクラは、ワシが1週間かけて破邪の力を込めた物。ちゃんと使える物じゃ」



ジイサンの説明によると、訪問する前に入口に貼れば良いとの事だった。

ツルツル頭で妙に顔が長い、仙人の様なヒゲをした80歳半ばのジイサンが、美白仕様で撮ったキュートな笑顔のプリクラ…


大丈夫か?
本当に力を見せてくれるのか?


「いーよー」


どこからともなく、不気味な声がした。


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