「不幸から守るとな!?」
ジイサンは座ったままで、器用に後退りしながら叫んだ!!
やはり、そんな都合の良い物はないのか…
ガックリと肩を落とす明人に、ジイサンは立ち上がって言った。
「ありますぞ」
「あるんですか!!
じゃあ今のリアクションはいったい…」
「いや、何となくノリで」
なんじゃそりゃ~!!
深呼吸して気を取り直すと、明人はジイサンにたずねた。
「それで、どうすれば良いんですか?」
「うむ…」
ジイサンは一度奥に入ると、仰々しい黒い漆塗りの木箱を持ってきた。
そして、明人の正面に座ると、目の前に木箱を置いた…
「この中に、秘伝の魔除けが入っておる。
それを取引先の入り口に貼れば、不幸など起こる事はないはずじゃ!!」
明人目が爛々と輝いた――
.