ケータイ小説作家に恋をしました。2


とても冗談には思えなかったが、明人はあえて追及はしなかった。

先ほどの呪文が、仮に醤油ダレだったとしても、明人にとってはどうでも良い事だった。


話題を変えたいジイサンはお茶を置き、明人に話し掛けた。

「こ、このお茶はな、静岡に住むワシの友人である作次郎が丹精込めて作ったものなんじゃ。

毎朝4時に起きて、曲がった背中をトントンと叩いて…
この辺りをトントンじゃ」

「いえ、僕はお茶の作り方や、トントンとどこを叩けば良いのかを聞きに来た訳ではないんです」


明人の口調が、珍しく厳しくなった。
そして明人の眼光は鋭さを増し、凛として話を続けた。

「僕のネガティブが招くオーラで、訪問すると取引先が倒産するんです。

取引先を、不幸から守る方法はありませんか!?」


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