ケータイ小説作家に恋をしました。2


営業センスが無いというよりは、不幸を呼び込み、取引先が倒産したりする。

業界では、銀行の取り立てより怖いと言われている…


「佐藤。
今日から事務処理の相川さんが辞めた代わりに、派遣会社から1人来るけど、ちょっかい出すなよ」

佐藤とは、明人の苗字である。

「は、はい」


明人の脳裏に、これまで付き合った女性の事が浮かんできた。

最後にデートをしたのは、今から3年前 …
まだ大学生の時の事だった。


待ち合わせをして会った瞬間、彼女は溝にハマり、溝から這い出たと思ったら野良犬に襲撃され…

その1年前にデートした女性は、目の前で宇宙人に拉致され、未だに行方不明だ。


明人は貧乏神も真っ青の、究極ネガティブパワーで不幸を招き、一緒にいるだけの人をも巻き込んでしまう――



その事に自分で気付いてしまった今は、派遣社員だろうが、扉の陰からコッソリ覗いている家政婦だろうが、女性に関わる事が出来ない。


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