ケータイ小説作家に恋をしました。2


明人は、お寺の様な荘厳な反り返る屋根の建物がそびえる敷地内へと、足を踏み入れた。

敷地内には、本殿とおぼしき黒瓦の建物へと石畳が続いていた…


本殿に辿り着き石の階段を10段ほど上がり中の様子を見ると、怪しげな黒装束のジイサンが何やら呪文を唱えていた。


明人が少し身を乗り出すと、すぐにそのジイサンは明人の存在に気付き、スゴイスピードで駆け寄ってきた。


「うおぉぉぉ~!!
悪霊退散、悪霊退散!!
胡麻ダレ
味噌ダレ
あんたダレ~っ

カ――――――――ツ!!



ん?
なんじゃ…
なぜこの悪霊は退散せぬのじゃ!!」

「あ…いえ、僕はスーパーネガティブで悪霊を連れて歩いているだけです…」


退魔士のジイサンは明人の言葉に暫く固まっていたが、一度奥に入りお茶を持って来た。

「じょ、冗談じゃ」


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