ケータイ小説作家に恋をしました。2


オッサンの場合は、もう道も見えてる訳だし、あとは自分が前に進めばいいだけじゃん。

オッサン…
理由を考えて自分自身に言い訳しても、前には進めないんだ。

よく言うだろ?
出来るか、出来ないかじゃないんだ。
やるか、やらないかなんだ!!」


明人は高校生に人生を諭され、目から鱗が落ちた。


確かにそうだ。
今までの僕は、自分のネガティブ思考が悪いのに、仕方がない事だといつも自分に言い聞かせてきた。

ネガティブ思考なんて、生まれついてのものではない…
弱い自分自身に目を伏せ、逃げてきた結果なんだ。

弱い心は次々に悪い事を引き寄せ、それに戦わずに負けた僕は、更に暗闇に沈んで行った…


「じゃあ俺行くから」

彼は背を向け歩き始めた。その背中に向かって、明人は叫んだ。


「ポポロを連れて会いに行くから…
必ず、2人で会いに行く!!

名前は?」


彼は振り返らずに、歩きながら手を振った。

「涼太!!」


.