いた――!!
車両のど真ん中で、携帯電話を片手に拳を振り上げ、雄叫びを上げている男を!!
一見スカポンタンな彼が、明人にはなぜか輝いて見えた…
次の駅で乗客にエールを送られながら下車する彼の後に、明人はついて行った。
そして、改札を抜け駅の構内から出た所で、思いきって声を掛けた――
「あの…
ちょっといいですか?」
彼は驚いて振り返った。
「うおっ!!
な、なんだこの負のパワーは!!
葉月 里緒奈か!?
何だオッサン?」
「オッサンて…
まだ僕は25歳なんだけど…
あ、そういえば高校生の時、たまたま従兄弟の小学生と一緒にいた時「お子さんですか?」って聞かれた事が…
このままだと僕は、40歳になった時には敬老会にお誘いを受けるのでは…
ルールールルー
ルールールルー」
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