ケータイ小説作家に恋をしました。2


翌日――


明人は、明人の暗黒オーラが引き寄せた悪霊を引き連れながら出勤した。


「おはようございます!!」

明人の耳にはもはや、阿川さんの声も届かなかった。


その様子を見て、阿川さんは明人のそばに近付いて来た。

「あれ…?」

阿川さんは、明人の机の上にポポロの本がない事に気付いた。

「佐藤さん、あの下着モデルの本は持ち歩いてないんですか?

佐藤さん!!」


耳元で叫ばれ、ようやく明人は阿川さんの存在に気が付いた。

「あ…ああ、何?」

まるで柳の下に立つ幽霊の様に振り返った明人の目の下には、アライグマがぶら下がっていた。

昨夜は、よほど眠れなかったのだろう…


「あ、あの…
いつも持ち歩いていたあの本は、今日は持ってないんですか?」

「あーあの本?
置いてきた。
もう僕には関係ないから…」


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