ケータイ小説作家に恋をしました。2


「さ、佐藤さん!!
もう一度見てみたらどうですか?」


阿川さんが慌てて、明人の耳元で鼓膜が破れるほどの声で言った。

この威力には、ネガティブにどっぷり浸っていた明人も我に返った。


「僕の鼓膜を返して下さい」

明人は熱く握り締めて汗が気化して湯気が出ていた携帯電話の画面をみながら、鼻息荒くページを更新をした。



>明人さん、ありがとうございます!!
私は姐さんではないので盃は渡せませんが、いつでもいらして下さい。

あまりネガティブ思考はいけませんよ!!


「おおー!!」

明人は歓喜にうち震えた。こんなにまともに相手をしてもらえるなど、記憶になかった。


明人はどんどんポポロ色に染まっていき、ポポロに恋心を抱く様になる――


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