>てまえ、姓を佐藤、名を明人と発しやす。
以後お見知りおきを!!
さて本日は、姐さんの盃をちょうだいしたいと思い、参上つかまつりました。
なにとぞ、よしなにお願いいたしやす。
「あの…
だから、姐ではないと」
困惑する阿川さんをよそに、明人は大満足で携帯電話を閉じた。
しかし、閉じた瞬間明人は再び携帯電話を開いた。
「そろそろ返事が書き込まれたかなぁ」
いや、チェック早過ぎだし!!
「へ、返事が…
か、書かれておまへん」
明人、お前どこの人だよ。
「や、やはり…
僕なんか、姐さんから盃をもらう資格なんかないんだ。
そうだ確か小学4年生の時、給食のパンにクラスみんなはマーガリンが付いていたのに…
僕だけ付いていなかった。
そうだ…
確かあの日の給食もそうだった。
あれは――」
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