ケータイ小説作家に恋をしました。2


>てまえ、姓を佐藤、名を明人と発しやす。
以後お見知りおきを!!

さて本日は、姐さんの盃をちょうだいしたいと思い、参上つかまつりました。

なにとぞ、よしなにお願いいたしやす。


「あの…
だから、姐ではないと」

困惑する阿川さんをよそに、明人は大満足で携帯電話を閉じた。



しかし、閉じた瞬間明人は再び携帯電話を開いた。


「そろそろ返事が書き込まれたかなぁ」

いや、チェック早過ぎだし!!


「へ、返事が…
か、書かれておまへん」

明人、お前どこの人だよ。


「や、やはり…
僕なんか、姐さんから盃をもらう資格なんかないんだ。

そうだ確か小学4年生の時、給食のパンにクラスみんなはマーガリンが付いていたのに…

僕だけ付いていなかった。

そうだ…
確かあの日の給食もそうだった。

あれは――」


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