レジの前で、負のオーラ全開でブツブツと回想を続ける明人に、レジの人はどうして良いのか分からず涙目になっていた。
レジの奥で、ヒソヒソと声が聞こえてくる…
「最近変な客が多いわよね。特にケータイ小説を買う人…
つい先日も、号泣しながら堂々と立ち読みしていた人がいたし」
誰だそれ…
それでも明人は止まらない。
「ああ、消費税は僕に、今回もまた試練を与えるんだ…
ガンダムにザク、ドム…
あのゲルググで、欲しいガンダムプラモデルが、全て揃っていたのに!!」
「あ、あの…
お客様、ちゃんと200円ありますよ」
店員に声を掛けられレジのトレーを見ると、そこにはさっきまで190円だった小銭が200円に!!
「おおっ、ゴータマシッダールタ!!」
いや、仏教徒でもそこは神にしとけ。
明人は気付かなかったが、余りのネガティブパワーに負けた店員が、こっそり10円たしていたのだ。
「ありがとうございました。二度と来ないで下さい」
こうして明人は、目標を達成したのだった。
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