ケータイ小説作家に恋をしました。2


レジの前で、負のオーラ全開でブツブツと回想を続ける明人に、レジの人はどうして良いのか分からず涙目になっていた。

レジの奥で、ヒソヒソと声が聞こえてくる…

「最近変な客が多いわよね。特にケータイ小説を買う人…
つい先日も、号泣しながら堂々と立ち読みしていた人がいたし」

誰だそれ…


それでも明人は止まらない。

「ああ、消費税は僕に、今回もまた試練を与えるんだ…

ガンダムにザク、ドム…
あのゲルググで、欲しいガンダムプラモデルが、全て揃っていたのに!!」

「あ、あの…
お客様、ちゃんと200円ありますよ」


店員に声を掛けられレジのトレーを見ると、そこにはさっきまで190円だった小銭が200円に!!

「おおっ、ゴータマシッダールタ!!」


いや、仏教徒でもそこは神にしとけ。

明人は気付かなかったが、余りのネガティブパワーに負けた店員が、こっそり10円たしていたのだ。


「ありがとうございました。二度と来ないで下さい」


こうして明人は、目標を達成したのだった。


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