ああ――…
その少年マガジンは、僕の…
僕の胸に飛び込んでくるはずだったんだ!!
僕と一緒に、畳の上に寝転び…
喜びや悲しみを共にし、晩御飯のカレーライスで角がちょっとだけ汚れ…
カレーライスの匂いが染み込んだ少年マガジンと、一夜を共にするはずだったのに…
目の前で、その幸せがこの手からこぼれて落ちた――…」
明人はその場で、2冊のポポロの本を抱き締め、涙に暮れた。
「お客様…
御購入です…よね?」
明人は店主の声に、フッと我に返った。
そ、そうだ。
今回僕は、ここにある本が買えたんだ。
あの時とは違う!!
「あ、はい。
2冊とも買います」
店主は苦笑いしながら、明人に言った。
「そうして下さい。
店内で怪しげな回想されて、お客様が全員お帰りになりましたから…」
明人のネガティブパワーにより、店内には虫さえいなくなっていた。
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