その日――
帰宅中の電車の中で、隣の車両から聞いたことがあるような大合唱が響いてきた。
明人は、座席から立ち上がると、隣の車両に通じる扉を開き移動した。
そして、その大合唱の中心にいる人物の隣に座った…
「シャーコ、シャー…
あれ?
あんたはいつだったか、俺を追い掛けてきた…」
「そう。
あの時は、根性と気合いを分けてくれてありがとう」
「いや別に何もしてないよ。
それで…今日は何?」
「いや…
あの時の話がうまくいったから、一応報告しておこうかと思って」
「あの時…の?
も、も、も、もしかして、マジでポポロとうまくいったの?」
「本当にありがとう!!
じゃあ、ジャマしちゃ悪いからこれで…」
「え―――――!!!!
マ、マジで?
うまくいく方法があるなら、頼むから俺に教えてよ!!
いや…
教えて下さいお願いします。
師匠――――――!!」
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