ケータイ小説作家に恋をしました。2


明人が車のハンドルにアゴを乗せ、ぼーっと空を眺めていると、運転席側の窓ガラスを叩く音がした。

ハッとして外を見ると、阿川さんが立っていた。


「お待たせしました!!
また、スーパーの裏でいいですか?
はははっ」

「あ、うん」


2人はなぜか無言のままスーパーの裏にある、以前並んで弁当を食べた場所に座った。

明人は阿川さんに手渡されたスーパーの弁当を食べながら、そわそわと落ち着かなかった。

阿川さんも、なぜか口数が少なかった。


弁当を半分くらい食べた時、明人が話し掛けた。


「あ、阿川さん…
あ、あ、あの…
ぼ、ぼ、ぼ、坊主が屏風に坊主の絵をですね…」

「はあ…?」


頑張れ明人!!
今しかないだろ!!


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