明人が車のハンドルにアゴを乗せ、ぼーっと空を眺めていると、運転席側の窓ガラスを叩く音がした。
ハッとして外を見ると、阿川さんが立っていた。
「お待たせしました!!
また、スーパーの裏でいいですか?
はははっ」
「あ、うん」
2人はなぜか無言のままスーパーの裏にある、以前並んで弁当を食べた場所に座った。
明人は阿川さんに手渡されたスーパーの弁当を食べながら、そわそわと落ち着かなかった。
阿川さんも、なぜか口数が少なかった。
弁当を半分くらい食べた時、明人が話し掛けた。
「あ、阿川さん…
あ、あ、あの…
ぼ、ぼ、ぼ、坊主が屏風に坊主の絵をですね…」
「はあ…?」
頑張れ明人!!
今しかないだろ!!
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