ケータイ小説作家に恋をしました。2


「ポポロが新作……」




その日、その後も明人は阿川さんのことばかりを考えていた。

そして…
帰宅する電車を待っている時に、目の前に立っている女子高生が手にしていた探し回った新刊、恋路を見て、ようやく自分の気持ちがハッキリとした。


確かにポポロは好きだ。

僕に生きる勇気と、沈んだ心に明るい気持ちを蘇らせてくれた。


でも、阿川さんとどちらが大切なのかと言うと――



そうだったんだ。
随時前から、本当は気付いていたのかも知れない。

ただ、いつまでたっても情けない自分に何の自信もなくて、本当の自分の気持ちを無意識に抑え込んでいたんだ。


僕は――…


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