ケータイ小説作家に恋をしました。2


そして明人の目に救急病棟の入口が見えた時、頭を下げながら病棟から出てくる人がいた。


「あ、佐藤さん。
どうしたんですか、そんなに慌てて?」

明人は、その間の抜けた言葉に力が抜けて、その場に座り込んだ。

「何だ…元気じゃん」


阿川さんは笑いながら明人に歩み寄ると、明人に手を伸ばして引き起こした。


「私は大丈夫だって言ったんですけど、オバチャンが青ざめて救急車を呼んでしまったものですから、仕方がなく病院まで来たんですよ。

でもやっぱり救命士や病院の先生にも、何ともないから帰ってもいいって…

本当に、はた迷惑ですよね私。はははっ 」


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